会議名:平成13年第2回定例会(第5日3月14日)
○2番
(中内議員)
お許しをいただきましたので、心の教育について、それぞれ関連いたします3点についてご質問をさせていただきたいと思います。
まず、1点目ですけれども、農業を学習に取り入れることについてでございます。
教育と農業の連携した活動は、心豊かな子どもを育成する上で必要である観点から、その活動の充実と組織整備についての考え方をお伺いしたいわけでありますが、私は、農業と教育は、何をさておき、立国、国を建てることにおいては基本であり、切っても切れない重要な関係にあると考えております。
国も、その関係の重要性に鑑み、食料・農業・農村基本法の、いわゆる農業基本法の中で位置づけるとともに、さらには、基本計画の中に組み込んでもおります。さまざまな厳しい環境の中に農業は立たされているのでありますけれども、その中で新しい基本法ができ、基本計画ができたのであります。そういう厳しい環境の中においてでも、農業も学校教育のために農業体験の機会の充実等に貢献していこうと、こういう姿勢が示されているわけであります。
そこで、この際、本市の農業委員会を初め農業者団体が協力的な考え方を持っていただいていることでもあり、児童・生徒の心の教育のためにも、学習田を利用した農業体験活動、これを積極的に押し進める必要があるんではないかと、このように考えます。既に現在、農家のご協力もありまして、六、七校で実施されているとお聞きをしておりますけれども、まだまだ少ない実施状況であると思っております。
そこで、1点目といたしまして、学習田の取り組みと、今後の見通しについて、お伺いをいたします。
2点目として、教育と農業の関わりについて、組織的な体制で学習に取り組むべきと考えますが、その見通しについてお伺いをいたします。
次に、大きな2点目といたしまして、命の尊さを教える教育についてでございます。
昨今、青少年による凶悪犯罪が続発しておりますが、未然に防ぐためには、命の尊さを教える教育がより重要であると考えます。現在の取り組みと今後の対策についてお伺いをいたしたいのでありますけれども、21世紀は教育改革の時代とも言われ、とりわけ心の教育が重要視されるようになりました。
敗戦国日本は、戦後55年になりますが、その敗戦から復興に立ち上がり、戦勝国などに追いつけ追い越せと、勤勉な先輩方は、わき目もふらずに頑張ってこられました。お蔭様で経済大国にはなったものの、後ろを振り向く余裕もなかったためか、息子や娘の心の教育は、荒っぽい表現であるかもしれませんけれども、なおざりにされてきたのではないでしょうか。私は、少なからずそのように思っております。
その孫たちの一部が、信じられないような重大かつ凶悪な犯罪を起こしている。これは、繁栄日本のつけであると思いますが、それは時代とともに、人を思いやる心をなくし、自己中心的なものの考え方しかできない人間になってしまったところに起因するのではないでしょうか。そのつけをなくするには、どれだけの努力と時間が必要なのか、残念ながら全く検討もつきません。まずは、しつけから命の尊さを教える家庭教育が必要であると思いますけれども、集団で受ける学校教育も重要であります。
そこで、1点目といたしまして、命の尊さを教える教育について、学校ではどのような取り組みをされているのか、お伺いをいたします。
そして、2点目といたしまして、今後の対策としてどうあるべきか、お伺いをいたしたいと思います。
次に、大きな3点目といたしまして、不登校対策についてでございますが、不登校の児童・生徒を今後増やさないためにも、早い時期での対処が必要であると思います。取り組みと克服対策としての考え方について、お伺いをいたします。
学校教育の中では、特に不登校ほど親が心配することはないし、親を心配させることはないと私は思っております。等しく教育を受ける権利と、受けさせる義務があるがゆえに、深刻で社会の大問題になっております。それは同時に、大人たちの責任であると思います。
なぜ不登校や引きこもりがちな児童・生徒が出てくるのであろうか。原因や要因は多種多様で、何でもないことからの始まりであるとお聞きもします。それは、学校において、友達関係から、また、担任の先生が嫌いになったからとか、家庭ではあまり話を聞いてやらなかったとか、あるいは過保護すぎたこと、期待感がありすぎたことなどからのストレスがたまって、精神面などのバランスを崩してしまったケースなど、さまざまであるようでございます。
常日ごろの対話による信頼関係が、家庭では親と、学校では先生とできていないと、ちょっとした環境の変化だけで、だれでもがなってしまうおそれがあるともお聞きします。家庭では、学校に行こうとしないから、親がおろおろ、いらいらするだけで、なかなか解決しない。それは児童・生徒の一人ひとりの原因、要因が違うからで、適切な対処の方法が全くわからないからであると思うからであります。親も学校も対処できないまま時が過ぎる。一刻一刻が勝負なのに、これが一番悪いパターンであると私は思っております。
事象が起こる前には何度となくサインを出しているはずですし、家庭で出しているか、学校で出しているか、両方で出しているか、残念ながら見落としてしまっていると思います。事象が出たときは、少しでも早く対処するのがよいと思うし、早ければ早いほどよいと考えております。
そこで、1点目でありますけれども、不登校の児童・生徒を今後増やさないためにも、早い時期での対処が必要と考えますが、取り組みについてお伺いをいたします。
2点目といたしまして、克服対策について、それぞれお伺いをいたしまして、1問目の質問とさせていただきます。
○福井議長 古谷学校教育部長。
(古谷学校教育部長 登壇)
○古谷学校教育部長 農業と教育についてのご質問に順次お答えいたします。
まず、第1点目の学習田の取り組みと今後の見通しについてであります。
学校におきましては、子どもたちに不足がちな自然体験や社会体験などの体験学習を進めており、農業体験は、情操豊かな人間性を育む上で非常に大切な教育であると認識しております。毎年、年度末に校外の田畑の使用を希望する学校について調査を行い、農林課と連携をとり対応しております。平成12年度では7校が校外の田畑の利用して農業体験を行いました。
今後ともその利用の一層の拡大について検討してまいりたいと考えております。
次に、教育と農業の連携の見通しについてであります。
教育と農業の連携を進めるため、今後、教育委員会、農業委員会、農林課、校長会などが情報の提供や交流を行い、密接な連携をとって協議するための組織づくりについて検討してまいりたいと考えております。
次に、心の教育についてでございますけれども、1点目の命の尊さを教える教育につきまして、子どもたちの発達段階に応じて、自分や他人の命を尊重し、力強く生き抜こうとする心や生命に対する畏敬の念を育てることは、人間尊重の精神を培う上で極めて大切であると考えております。
学校教育においても、命の尊さについては、理科の生命の誕生の学習や生活科の栽培、飼育活動等の教科学習を初め、全教育活動を通して心の教育を推進するとともに、道徳の授業において、各教科、特別活動で学んだことを補充、深化、統合するよう指導しております。
命の尊さを教える教育の今後の対策についてでありますけれども、命が尊いものであるという心情を培うめたには、幼児期から道徳性を高める教育を推進する必要があります。
そのため幼稚園などでは、遊びを通してルールを守り、善悪に気づく取り組みを行い、小・中学校では、市独自で配布している道徳副読本の活用や、教育実践の交流等の取り組みを進めております。また、体験を通して命の尊さについての心情を高めるために、地域の方々の協力を得ながら、ボランティア体験、自然活動体験、農業体験、職場体験等の体験活動を積極的に進めております。
次に、不登校の早期の取り組みにつきましてであります。
不登校はどの子にも起こりうる問題であるという教員の共通認識を持つことが極めて重要であると考えております。したがいまして、常日ごろから児童・生徒の小さな変化や様子を注意深く見守り、児童・生徒が発している何らかの前兆や症状を見逃さず、これを早期に発見し、児童・生徒の保護者と連携を密にし、その原因になっているものを取り除くとともに、早期に学校復帰が果たせるよう積極的にかかわり、支援することが大切であると考えております。
次に、その克服対策についてでありますけれども、不登校については、教職員一人ひとりがカウンセリングマインドをもって対処することはもとより、スクールカウンセラーの拡充や関係機関との連携により、未然防止や発生時の相談指導体制の整備に努めることが大切です。
そのため本市では、スクールカウンセラー8人と心の教育相談員29人及び教育研究所での教育相談員が、児童・生徒や保護者、教職員からの教育相談に当たっております。また、学校復帰に向けての援助のための適応指導教室、ふれあいルームの活用に加え、不登校児童・生徒を対象にした、やってみようキャンプを実施しております。
今後とも、これらの活動の充実に努め、学校復帰への支援をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福井議長 2番、中内議員。
○2番
(中内議員)
一定の答弁をいただきましたけれども、1点目ですが、学習田を活用して農業体験、自然体験を行っているということで、既に7校で実施されていると。しかし、私はまだまだ5分の1の小学校での実施といったところでありまして、市全体から見ればまだまだ少ない、このように思っております。
本市は、何かにつけて立地条件がそろっていまして、こんなに自然に恵まれた市はないと、このように思っておりまして、バランスよく町があり、田があり、里があって、そして、川があり、山もある。しかも、ご存じのように、交通の要衝でもありまして、移動に不便さを全然感じさせない。こんなすばらしい市で、農業者がおられて、体験学習に、ご指導なり、お力添えをしていただいている。これを教育委員会としては利用しない手はないと、このように私は思うわけであります。
教育現場の先生方が、学習田で稲作や野菜づくりを子どもたちとやろうと、また、やってやろうとする熱意さえあれば、もっともっと農地を提供していただけると思いますし、農業委員会も努力していただけると私は思っております。
すべての児童・生徒が汗を流す勤労の尊さ、それは田畑でほどよい汗をかくと、どんな心の教育によいことか。苦労して世話した後、満足した作物がとれたときの収穫の喜び、生産物を食べるときのうれしさ、楽しさ、そして、自然の恵みと関係者に対する感謝の気持ちを実感して学ぶ。このすばらしさ、それらは自然との触れあいから育まれると私は思っております。そして、皆さんが希望する、素直で明るい子どもたちに育ってくれる手助けができるのではないでしょうか。
そこで、教育現場の先生方の学習田への取り組み、また、考え方について、要約をされたものがあれば、お聞かせをいただきたいと、このように思います。
それから、2点目ですけれども、農業を取り入れた教育への具体策について、どのように実践されようと考えておられますかということをお聞きしたいと思っておりましたけれども、代表質問の中で市長が、取り組んでまいります、とのご答弁でございましたので、よりよく機能しますようにお願いをしておきたいと思います。
そして、2点目ですけれども、命の尊さを教える教育について、取り組みと、その対策についてご答弁をいただきましたが、私は機会があるごとに、相手を思いやること、相手の気持ちを考えること、自分の命を大切にする。そして、相手の命も大切にしなければならない、このような例題を通してお話をし、命の尊さを説いていただく。そして、時には作文を書いてもらい、考え方のチェックをすれば、全体的な指導と、きめ細かな個人的な指導もできるんではないかと思います。
しかしながら、昨今におきましては、通り一遍倒のお話だけではなかなか理解してもらえないらしいともお聞きをいたしております。心身の成長途上では、頭と体が一体になっていないのかもしれないということであろうかと思います。
そこで、まだまだ体験を通して教える方が効果があるのではないかということであると思いますが、ならばボランティア体験、あるいは職場体験、自然活動体験とは、具体的にどんなものであるか、お伺いをしておきたいと思います。
次に、3点目の、不登校の児童・生徒の早い時期での対処と克服対策でありますが、事象が起こるまでのケースが一人ひとり異なる。だから、学校への復帰までは、カウンセリングも的を得た緻密さが要求されるんではないかと私は思います。
カウンセラーの人数ですが、先ほど8人ということのご答弁、そのほか臨床心理士の資格のある教育相談員が4人、電話相談など教育研究所での担当者が数人、そして、大学生を中心とした中学生への心の教室相談員が、不定期的な存在であるけれども29人担当しておりますということでお聞きをしておりました。
不登校、引きこもりが既に本市では、小学校で約50名、中学校で約250名を数えるということになりますと、今後、各中学校には1人ずつ計画的にふえるとはお聞きをしておりますけれども、早期に対応する人がいなくて、結果的には絶対数が不足しているんではないかと考えます。要するに、現在でも300人ほどおるということで、手いっぱいの状態であると考えております。
そこで、少子化によるクラス減での先生の行く先はどうされているんでしょうか。カウンセリングに回ってもらえないかとも思っております。また、退職教員について、教育現場の経験を生かしてもらって、臨時的に協力してもらえる体制がとれないものか、お尋ねをいたしたいと思います。
以上、2問目ということでご質問をさせていただきます。
○福井議長 古谷学校教育部長。
(古谷学校教育部長 登壇)
○古谷学校教育部長 学習田に対する学校現場の熱意の件でございますけれども、農業体験とか体験学習が非常に大切だという認識は、教職員も持っております。したがいまして、学校外で実施している学校は少ないんですけれども、農業体験が必要ということで、学校内で稲作や、あるいはサツマイモ等を栽培している学校は、小学校で18校、中学校で1校ございます。
今後とも、この体験が重要であるということについては、指導してまいりたいというふうに思っております。
次に、カウンセラーの人数が不登校に対応して少ないのではないかということでございまして、それに退職教職員、あるいは余剰教職員というふうなお話がございましたけれども、教職員につきましては、学級定数によって教職員定数が決まりますので、その定数を超えたら過員となりますので、その先生方につきましては、大阪府下全般で調整をしていただきまして、例えば今年であれば、東大阪市が非常に小学校が足りないとか、あるいは三島地区では吹田市が足りないというふうなことがございますので、そこへの異動をお願いをすると。あるいはまた、退職勧奨制度に基づきまして退職をしていただくという形で対応させていただいております。
その退職していただいた先生方をカウンセラーとして利用できないかということでございますけれども、カウンセリングマインドを持った先生というのは、なかなか専門性が必要でございますので、そういう先生も実際にいらっしゃいますので、今後、そういうことができないかということについては検討したいと思いますけれども、現在では、教育研究所に校長先生を配置をさせていただいているという現状でございます。
経験豊かな一般教職員につきましても、そういうことができるかどうか、研究してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上でございます。
○福井議長 2番、中内議員。
○2番
(中内議員)
最後、要望とお願いで終わりたいと思いますけれども、現場の先生方の学習田への取り組みについての意見、考え方を要約したものがあればということでありましたけれども、ないとのことでありますので、とまどっておりますけれども、特に町の学校では、物理的に無理な面や、移動にしんどい面があると私は思いますけれども、教育委員会としてはしっかりと、実施校を増やす方向と、取り組みについて、先生のご指導をお願いしておきたいなと、このように思います。
今後、子どもたちも大自然の中で農作業に携わることにより、農業のすばらしさに触れ、少しでも農業に興味を持ってくれたら、また理解を示してくれたら、なおさらよいことであります。私はこのように思っております。農作業には手間や暇がかかると思いますが、作物は作る人に忠実でありまして、作ることから学ぶことが、口では言い表せないほど心の教育にとってはよい面ばかりが作用すると確信をいたしております。
そこで、重ねて要望となりますけれども、教育委員会におかれましては、特に平成14年度からのゆとりの時間、これは週に3時間あるということをお聞きしておりますけれども、活用していただきまして、教育実習田や農業体験校がさらにふえますようにお願いするとともに、啓発活動を通して先生方にご指導をお願いしておきたいと、このように思います。
次に、命の尊さの教育でありますけれども、道徳の教室での学習、これにおいても、また、お答えをいただきました体験学習面におきましても、子どもたちにとってより効果が出ますように努力していただきたいと、お願いをいたしたいと思います。
それから、カウンセラーの人員確保については、お聞きしますに、法律的にいろいろ難しい面があるようでございます。また、しんどい面があるようでありますけれども、カウンセリングが、成長途上の思春期の人格の再構築からの出発といったことで、対応について時間がかかる。このようにもおっしゃっておられましたが、本当に難しい面がありますが、1人でも不登校などの児童・生徒が減りますように取り組んでいただきますよう要望いたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。