会議名:平成13年第4回定例会(第3日9月27日)
○2番 (中内議員)  お許しをいただきましたので、認定第3号、大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定につきまして、賛成の立場から意見を申しあげ、議員各位の賛同をお願いするものであります。

 さて、国民健康保険制度は、昭和36年の国民皆保険達成以来今日まで、医療保険制度のセーフティーネットとしての役割を十分果たしてまいりました。しかしながら、この間、今ほど深刻にして重大かつ憂慮すべき事態に追い込まれたことはありません。長期化する景気の低迷、急速な少子高齢化の進展、就業構造の変化、さらには、とどまるところを知らない医療費の増大化などにより、国保は制度的な危機に直面していると言っても決して過言ではない状況に立ち至っております。

 こうした深刻な状況が近年になって、国保だけでなく医療保険制度全体にまで及び、その結果、医療保険制度のみならず医療提供体制を含む医療制度は、もはや制度疲労を来しているとまで言われる状況となっております。そこで国では、その対策として、医療制度全体を対象とした抜本改革を平成14年度に実施すべく検討されており、一昨日、9月25日には厚生労働省がまとめた14年度医療制度改革案が明らかになったところであります。

 それによりますと、老人医療制度の対象年齢を現行の70歳以上から75歳以上に引き上げ、各保険者の老健拠出金を減らして、その財政破綻を回避することがねらいとされておりますが、この結果、医療者保険の負担は軽減されるものの、70歳から74歳までの高齢者の4分の3が加入している国保にとっては、大幅な負担増は避けられないのではないかと言われております。

 したがいまして、理事者におかれましては、国民健康保険の保険者として、今後とも地域医療の確保と住民の健康増進を図るため、健全な地域医療保険制度の確立に向けて国の動向を注視するとともに、最善の努力を傾注されるよう切に念願する次第であります。

 そこで、本市国民健康保険事業の平成12年度の実績を見ますと、まず収支面においては、累積で2億2,000万円の黒字、単年度では190万円の赤字となっております。しかしながら、これは決して国保財政が改善されたことによるものではなく、前年度における一般会計繰入金の増額補正分が繰り越されたこと、そして、12年度では、歳出の大部分を占める医療費及び老健拠出金において、前年度と対比して伸び率がかなり下回ったことが主な要因ということであります。すなわち医療費の増加傾向に歯止めがかかったのではなく、保険給付費は前年度ほどではないにしても増加しており、いわゆる医療費の伸びが本市国保財政を圧迫していることに変わりはなく、ひいては国保料を押し上げる最大の原因となっております。

 こうした視点から、医療費対策を国保の重点施策の一つと位置づけられ、レセプト点検などの医療費適正化事業を初め、加入者の健康保持や将来の医療費節減につながる簡易人間ドック助成事業等の保健事業、その他、医療費通知や啓発冊子の配布などによる意識啓発事業等の諸事業の推進に積極的に努力されたことは、一定評価すべきものと考えます。

 一方、歳入面でありますが、制度を維持するための財源の第一は、言うまでもなく保険料であります。12年度の保険料徴収については、長引く不況に加え、介護保険料の一体徴収の開始という困難な状況下にありながら、収納率の対前年度低下率をここ数年間では最小に抑え、低下傾向に多少なりともブレーキをかけることができたのは、関係者の努力のたまものであります。

 しかし、完全失業率が5%を超え、つい先日には大手スーパーの民事再生法申請による事実上の倒産が伝えられるなど、保険料の徴収環境は、今後、悪化の一途をたどるのではないかと思われますので、決して現状に安住することなく、さらなる努力のもと、創意と工夫を重ね、収納率の向上に努められますよう要望しておきたいと思います。

 また、国保財政の安定化とともに、加入者の負担軽減の上からも、引き続き一般会計からの多額の繰り入れを行い、さらに、国庫支出金、その他の財源確保に努められるなど、本市国保財政の健全性の維持に懸命の努力を傾注されていることについても、一定評価をすべきものと考えております。

 以上、平成12年度の本市国保事業運営においては、事業の適正運営と財政の健全性確保のため、収支両面にわたる諸施策、各事業の実施など、種々努力の跡と一定の成果を見ることができるのでありますが、長期低迷が続き、好転の兆しすら見えない昨今の社会経済情勢のもとでは、今後の事業運営の厳しさ、困難さは計り知れないものがあると思われます。加えて、来年に予定されている医療保険制度の抜本改革でありますが、実施へ向けて予断を許さない議論がまだまだ続くものと思われます。

 いずれにいたしましても、本市国保事業の長期安定化及び健全化のため、今後とも引き続き、医療費適正化等により歳出の抑制を図るとともに、保険料収納率の向上等による歳入の確保に努めるなど、より一層の経営努力を重ねられることを要望し、賛成討論といたします。

 議員各位のご賛同を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)